2017年1月11日水曜日

モンマルトル

冬のゆうぐれ色ガラス

モンマルトルの裏通り

黄色い灯が照らす石畳

細い影が並んで歩いた


シャンソン酒場の重い扉を開くと

馴染みのギャルソンが

Cavabienと手招きして

店の奥のテーブルにつくと

(また騙したな)とワイングラス片手に

モジリアーニが小声で冷やかす

酔っ払いのモーリスなんか

おやおや可愛い人形だ

なんて大きな声で楽しげに笑う


それより

フロマージュと俺たちの葡萄酒をたのんで

みんなでグラスをふれ合わせる

ひさしぶりにピアフの歌に聞き入ると

モジリアーニが恋人に話しかける

ジゴロのくせにモデルにならないかなんて

小指を撫でて口説く始末である

ふふっと満更でもない含み笑いが

恋人の横顔に浮かんだ


にぎやかな笑い声につつまれて

シャンソン酒場の夜が更ける

暗い窓ガラスに滴がながれて

ピアフの恋の歌が心にしみる


恋人とグラスをふれ合わせると

ユトリロの描いたモンマルトルが

深い夜霧にしずむ 深い夜霧に・・・

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